【認知症・介護】No.04 _ 夫の介護は危うい
認知症の原因の半数以上を占める「アルツハイマー型認知症」は、
女性のほうが有病率が高いことが知られています。
従って、当然のことながら妻が認知症に罹患し、夫がその介護を担うことがあります。
認知症の介護において、介護者が「夫」の場合、
夫ゆえの難しさがあり、夫だからこそ窮地に陥る可能性があることを知っておいてほしいと思っています。
以下はあくまでも、私が見てきた危うい状態に陥りがちな「夫の姿」を書き記したものであり、
すべての方に当てはまることではありません。
ただ、自分は大丈夫だと思っている方こそ、私は心配しております。
妻の介護を担う夫の方々、そして、その夫をサポートする方々、
どうかこの小文をご一読いただき、役立ててもらえれば幸いです。
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【認知症・介護】No.03 _ 患者さんの思い・家族の苦渋
「先生、私、仕事辞めました」
認知症の母親と二人暮らしのAさん(40歳代女性)は、
長年、地元の中小企業で事務員として働きながら、ここ数年は母親の介護を続けてきました。
Aさんが仕事に出ている間、母親はデイサービスで過ごし、
夕方16時半頃に家に戻った後は、
一人でAさんの帰宅を待つという生活をしていました。
しかし、ある日、Aさんが仕事から戻ると、母親の姿が見当たりません。
真っ青になって家を飛び出すと、
幸いなことに家からほど近くのところで、
ぼんやりと立ち尽くす母親を見つけることができました。
Aさんは感情を抑えきれず、つい母親を叱りつけました。
「デイサービスから帰ったら、絶対に家から出ないでね!」
ところが、です。
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【認知症・介護】No.02 _ 家族の気持ちと頭を整える
前回は、
①家族の関係性の難しさ
②受容の難しさ
③心にすり込まれた「理想の家族像」
この3つが、介護をする家族を苦しめる要因になりうることをお伝えしました。
上記の事柄はどの家族にも当てはまることですが、その克服は簡単なものではありません。
しかし、事実として知っておくことで、介護者の苦悩が多少なりとも軽くできるはずです。
■ まずは“ガス抜き”から
では、専門医の視点から具体的な介護のノウハウについて…
とお話を進めたいところですが、その前に、ぜひ皆さんにやっていただきたいことがあります。
それは、ガス抜きです。
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【認知症・介護】No.00 _ はじめに
2017年2月、私は静岡県浜松市西区志都呂に認知症専門外来「たまゆらメモリークリニック」を開院いたしました。
何が患者さんと家族の生活を難しくしているのか?
どうすればその難しさを軽くすることができるのか?
私はそれを知りたいと思っています。
そして、それらを患者さんや家族にうまく伝えたいと思っています。
日頃から患者さんの診察、家族との面談、認知症の医療や介護に携わる方々との情報交換の中で学ばせていただいたことを患者さんやご家族にお返しできればと考えています。
このブログが認知症の患者さんとそのご家族の暮らしの一助となることができれば幸いです。
同時に、認知症の医療・介護に携わる方々にとって、日頃のお仕事のちょっとしたヒントになればうれしいです。